こんにちは、平林です。今回は、東京都北区田端にあるユニバーサルシアター”シネマ・チュプキ・タバタ”(以下、チュプキ)の訪問記です。
シネマ・チュプキ・タバタ
席数20席で小さいけれど、ユニバーサルな映画館。全ての映画に[音声ガイド]と[日本語字幕]がついている映画館。全席にイヤホンジャックが装備されている。誰でも利用できる小さな親子鑑賞室もある。車椅子スペースはシアター最後列(予約可)。
2025年8月17日に学びプラネットのゲストトークに、チュプキの代表である平塚さんをお招きする予定で、2025年5月にチュプキさんにイベントの打ち合わせに出かけ、その後3回ほど映画を見に足を運びました。
商店街の中にある小さな映画館は、内装も素敵で、居心地のよい空間。月毎に、上映する作品を紹介するチラシを作成されていて、それも毎月毎月素敵なデザインです。このチラシに取り上げられている作品は、東京都北区のお隣埼玉県川口市にある障害者施設”社会福祉法人みぬま福祉会工房集”の作品とのこと。
上映作品は2週間程度で入れ替えになり、都度、同じテーマのものを集めていて連続して見ることができます。また、アフタートークといって映画を観た後にみんなでおしゃべりするイベントが開催されることもあります。アフタートークに、製作者や出演者がゲストとしてやってくることもあるそうです!
チュプキを訪れると、20席の中で何らかの障害のある方が来ておられ、近くの飲食店で一緒になることも多いです。飲食店の店員さんも障害のある方が来ることにとても慣れている様子で、メニューをことばで説明したり、階段しかない入り口のお店の階段のところにはインターフォンがあって、そこから注文ができるようになっていたり。多様な人がやってくることが当たり前の街になっていると感じます。
すべての映画に音声ガイドがついているというのは、どのように実現しているのでしょうか。チュプキの2回には事務所があり、そこで音声ガイドの制作も行われているのだそうです。その制作には、視覚障害の方もあたりまえに関わっておられ、どのような音声ガイドにすれば、作品の意図が伝わるのかを議論しながら、制作が進んでいくようです。
チュプキ代表の平塚さんは『夢のユニバーサルシアター』という書籍を出版しておられ、それを読むと、チュプキをどのように作ってきたのかについてや(映画館をつくるってそういうことだったのかというのがわかります)、音声ガイドの制作過程についてもよくわかるので、一読をお勧めします。
インクルーシブな地域形成の一つのあり方が、ここにもあると思いました。
ぜひ、学びプラネットのゲストトークにオンラインで参加いただき、そして、東京都北区田端の”シネマ・チュプキ・タバタ”さんに足を運んでいただきたいです。
チュプキを貸し切ってユニバーサル上映会をしたい、子どもたちを連れていきたいといった企画の相談にも乗ってくれるそうです。
それでは、また。