こんにちは。平林です。今日は,「聞こえ」の話です。
「聞こえ」に関して以下のような困りごとを感じている人は少なくありません。
学習困難の背景に潜む「聞こえ」の問題
聴力には問題がないのに雑音下での聞き取りに難しさがあり,それが生活や学習に大きな支障をきたすレベルである場合,医学的には聴覚情報処理障害(Auditory Processing Disorders:APD)と呼ばれます。「聞こえ」の困難さの程度はグラデーションです。ですから通常の生活が問題なく送れている場合には「聞こえ」の困難はほとんど意識されず,顕在化していない場合が多いと私は考えています。
しかし,小中学校での一斉授業で「聞こえ」の困難さがあると,学習に支障をきたす場合があります。実際,読むこと書くことといった学習困難で相談に来る子どもたちの中に,雑音下での聞きとりにくさや聴覚過敏が理由で不登校などの不適応を起こしている場合があります。したがって,「聞こえ」の困難さの訴えが子どもからなかったとしても,聞こえにくさが学習困難の要因になっていないか,チェックしてみるとよいかもしれません。
まずは日常の中で聞こえにくさを示すエピソードがないか本人に聞いてみましょう。思い当たるエピソードがある場合には,身の回りにあるテクノロジーを試してみるとよいでしょう。聞きにくさを潜在的に感じている人は,聞きやすい環境を試してみることではじめて,自分の聞こえにくさを自覚することができるからです。
ノイズキャンセリング技術
うるさい場所が苦手な人は,騒音を低減してくれるツールを試してみましょう。周囲の騒音を低減するノイズキャンセリングヘッドフォンは今や定番の学習環境支援ツールです。ノイズキャンセリングヘッドフォンは各社から発売されており,家電量販店で実際に視聴することができます。多くの方が使っている実績がありオススメなのは以下の製品です。
QuietComfort (クワイエットコンフォート)シリーズ BOSE社製

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Bose QuietComfort 25 Acoustic Noise Cancelling headphones – Apple devices ノイズキャンセリングヘッドホン ブラック 価格:25,800円 |

ヘッドフォンタイプはすこし目立つし,音楽を聞いていると誤解される心配もあることから,インナーイヤータイプを選ぶ子もいます。こちらは充電式ですが,モバイルバッテリーを使えば充電し忘れの心配はいりません。
わたしは両方もっていて,相談の際には二つとも紹介しています。それぞれ利点があり,本当におすすめの製品です。
補聴システム・ワイヤレスマイク
周囲の音が気になって聞きたい声が聞こえないという場合は相手の声を耳に届ける補聴システム・ワイヤレスマイクが便利です。高機能のものですと,話者の声を送信機を通して,FM電波で受信機に届けるFM補聴システム(Phonak社製,Roger)がありますが,高性能ゆえ価格も高めです。
まずは簡易的なものから試してみたいという人には,ビデオカメラの付属品として発売されているワイヤレスマイク(SONY製,ワイヤレスマイクロホンECM-AW4)が活用できます。こちらは家電量販店で購入できる身の回りにあるテクノロジーですね。
FM補聴システム Roger(ロジャー) Phonak社製
FM補聴システム Roger(ロジャー)の送信機・受信機はいくつか種類があり,機能や価格が異なります。以下,私が実際に使用経験のあるものを紹介します。
ワイヤレスマイクロホン ECM-AW4 Sony製

メーカー希望価格:21,000円(税抜)
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