こんにちは,平林です。
今日は11月1日に開催するオンライン講座のお知らせです。
https://manabiplanet-kisoseminar.peatix.com/view
このブログでは「読み書きが苦手な子どもたちがタブレットPCを使って学ぶ」ことをテーマに記事を書いてきました。
「読み書きが苦手=学べない」というわけではない。
でも,「ICTで読み書きを補う=学べる」になるかといえば,それだけではうまくいきません。
読み書きが苦手な子どもたちがICTを紙と鉛筆の代わりとして学ぶとき,そこにはいろいろな壁が現れます。
・自分だけみんなと違う方法を選ぶことに本人の気持ちが追いつかない
・学校の先生が理解してくれない
・学校の環境が整っていない
などなど。このような壁を少しずつなくしていくために,現在の学校や社会のあり方が変わっていかなければなりません。
「ICTで読み書きを補う」ことが学び方の選択肢として学校の中で認められているかどうかは,その子が自分の学び方を選ぶ上でとても大事です。
また,高校入試や大学入試で合理的配慮としてICT活用が認められるかどうかという議論においては,その困難さを客観的に説明することが求められます。
この客観的な説明はしばしば医学的診断と捉えられ,「合理的配慮は医学的診断がなければ認められない」と極端に解釈されている場合があります。
しかし,これは間違いです。
障害をどのように捉えるのか,障害のある人の権利を守るための合理的配慮とは何なのか,適切に理解する必要があります。
読み書きが苦手な子どもたちに医学的な視線を向け,できないこと探しをするのではなく,子どもたちが日々を過ごす学校の中に仕組みとしての偏りがないかをチェックして,学校を変えていく必要があると思います。
そのキーワードになるのが「障害の社会モデル」です。
今回のイベントでは,社会モデルの伝道師である東京大学のバリアフリー教育開発研究センターの飯野由里子さんと一緒に読み書き障害のある子どもたちへのICT活用や合理的配慮を「社会モデル」で捉え直してみたいと思います。
「障害の社会モデル」というのはたとえば,障害を「教科書を読むことが苦手だから授業に参加できない」と個人の中にあるできないこととして考えるのではなく,「教科書が紙でしか準備されていないから授業に参加できない」と考えます。障害は子どもたちの側に存在するのではなく,学校や社会の側に存在している。このような考え方を「障害の社会モデル」といいます。
読み書き障害を障害の社会モデルで捉え直すことで,学校の中に存在している壁を見える化していきたいと思います。
もしよろしければご参加ください。
このイベントの申し込みを開始して,驚いたのですが「あとから配信」を希望される方が半数いらっしゃいました。自分の好きな時間に視聴できる「あとから配信」も新しい参加のスタイルですね。