必要は、最大の〇〇 〜タブレットを使いこなすポイントは?〜

こんにちは。平林です。

夏休みは学校の研修会がいろいろなところで行われていますね。

きょう、わたしは都内の特別支援学校のiPad活用の研修会を担当させてもらいました。研修の中で伝えたいと思ったことをかきたいと思います。

特別支援教育にiPadなどのタブレットPCを生かすには,タブレットに関する知識と,子どもの認知や発達に関する教育的知識の両方が必要です。

現在公開されているiPadのアプリ数は、200万以上にのぼります。とても多いですね。この中から,アプリを探すのは大変です。

一方,特別支援学校に在籍する子どもたちは、読み書き計算といった学習のニーズだけでなく、コミュニーケーションのニーズやスケジュールや見通しといった自分を自分で管理することのニーズなど、より広い視点での支援が必要です。わたしの現在の専門性から考えると読み書き計算といった学習に関しては少しは知っていますが,コミュニーケーションや自己管理に関しては、まだまだ勉強がたりません。ただ,タブレットを用いた発達支援に「共通していること」があるように思います。

タブレットは,使い方として大きく二つの使い方があります。

①先生が情報をわかりやすく伝えるための教材

②子どもが自分の能力を補うための筆記用具・アシスタントツール

わたしは,②の使い方を重視しています(もちろん①もとても便利で大切だということは認識しています)。そのため,あまりたくさんのアプリは使わず,基本機能が中心です。

子どもが自分のアシステントとしてタブレットを使うために

タブレットを使いこなすためには,ある程度活用するための指導や経験が必要です。指導法と言うほどのものでもありませんが,子ども自身がタブレットを使いこなすためにわたしが大切だと思っていることは二つあります。

①「必要を設計すること」

ウルフ・オブ・ウォールストリートというレオナルド・ディカプリオ主演の映画をご覧になったことがあるでしょうか。ディカプリオがお金持ちになっていくというストーリなのですが,その中でディカプリオが成功の秘訣を仲間に話す場面があります。その秘訣は次のようなものです。

ディカプリオ:「このペンを俺に売ってみろ」

相手:「このペンはすばらしい書きごこちです。今一番人気のあるペンで。etc…」

ディカプリオ:「そうじゃない。おれなら3秒で売れる。どうやるかわかるか。こうだ。」「ここに名前を書け。」

名前を書くようにしむければ,ペンに必要性が生まれる。ものを売るっていうのはそういうことだ。というわけです。

あまりよい説明ではないかもしれませんが,「必要」を作り出すことによって人は道具を使うということがシンプルに説明されているなと思って印象に残っています。メモすることを教えるには,メモしないと困る状況を作る。文字から情報を得ることの大切さを教えるには,きちんと読まないと困る状況を作る。とてもシンプルですが,とても大切なことです。

 

②「遊ぶこと」

大人はアプリを使うときにあらかじめその使い方を想定しています。漢字の筆順が出るアプリだったら,筆順をみたり,ストロークを指でなぞったりすることで,漢字を書くことができるようになるのではないか,そんな期待を持ちながらアプリを使います。でも,子どもたちはそうではありません。常にこのアプリでこんなことをしたら面白い,やってみようと想定しない使い方で遊び始めます。

そんな様子をみたとき,わたしが大切にしているのは,子どもの遊びを大人が想定した使い方に戻すことではなく,一緒に遊ぶことです。遊びの中でその機能を十分に知ることで,①のような必要が生じた際には,その機能を臨機応変に呼び出し,活用できる。

子どもの中には,あたらしいアプリを開くと,そこにあるあらゆるボタンを端から触っていく子がいます。そういう子は,いろいろなアプリの機能を本当によく知っていて,大人におしえてくれるということがあります。

 

今日は,アプリ活用においてわたしが大切だと考えているポイントを紹介しました。

 

 

via PressSync

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