ICTを使って家で学ぶという選択

ICTを使って家で学ぶ

こんにちは。平林です。今日は,「ICTを使って家で学ぶ」について取り上げてみたいと思います。

何らかの理由で学校を長期欠席している子どもたちについて,文部科学省は年間30日以上の欠席を長期欠席として不登校調査でその人数を毎年調査しています。今年も2月に調査結果の確定値が公開されました(文部科学省,2017)。それによると,小中学校の不登校者数は約12万6千人にのぼります。以下の図は,不登校児童生徒の推移を表しています。

不登校児童生徒の割合(文部科学省,2017)

不登校の子どもは増加傾向にあると言えます。一方で,近年では通信教育などの教育サービスが充実してきており,動画での教育コンテンツがインターネットを介して手に入るようになりました。
学校に通うことが難しくても家で通信教育や動画コンテンツで勉強することができます。

平成17年に文部科学省は,不登校にある子どもたちが家庭でITを活用して行った学習活動を出席扱いとし,評価に反映する際の要件を示しています。

不登校児童生徒が自宅においてIT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱い等について(通知)

つまり,さまざまな事情で学校での学びから離れてしまっている子が,家庭でITで学ぶことができる制度があるということです。

また,2017年2月には教育機会確保法が施工され,4月には基本指針が示されました。

義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する基本指針の策定について(通知)

基本指針においても,家庭にいる不登校児童生徒に対する支援として「ICT等を通じた支援」が明示されています。

学校に行けないことがそのまま学習空白となってしまうと,子どもが学びたいと思った時に学びに戻るハードルが高くなってしまいます。学校に行けなくても学べることは,学校に行かないことを助長するものではないと私は思います。学校以外での学びはまだ義務教育には位置付けるところまでにはいたっていませんが,義務教育の受け方が広がっていくように制度が整備されることを期待しています。

イギリスには,ナショナルカリキュラムに添った中等教育が受けられるオンラインの私立学校「Inter High(インターハイ)」があります。対象年齢は10歳〜19歳,3年前にこのInter Highの先生にお会いして聞いた時には1クラス最大18名で計17のクラスがあり,300名の生徒が在籍しているとのことでした。出席している(コンピューターの前にいて映像配信の授業を聞いている)ことが確認できるように,授業は録画した映像を配信するのではなくストリーミングで配信され,出席を随時確認しながら授業が行われるそうです。

日本にもオンラインの小中学校があったら,いろいろな事情で毎日学校に通うことの難しい子どもの選択肢がひろがるのではないかと思います。世界のいろいろな学校でのいろいろな学び方についてこれから調べていけたらと思っています。

現在利用できる動画コンテンツについては別の機会にレビューしたいと思います。

 

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