テストを音声読み上げを使って受けるには②〜中学校の定期テスト

中学のテストは先生から電子ファイルをもらおう

こんにちは,平林です。

今日は「中学校の定期テストを音声読み上げで読み上げる」について書きたいと思います。

中学校の定期テストは,学校の先生が作りますね。

ということは,手書きや切り貼りで作っている場合以外はテキスト(文字情報)を先生が持っています。

テキスト(文字情報)があるならば,あとは,それを何らかの形でタブレットやパソコンに送れば,音声で読み上げることは簡単にできます。

中学校と話し合いをしよう

中学校と話し合いが必要な項目は,以下の3点かと思います。

先生がどうやってテストを作っているかを確認する

中学校は教科担任制です。もしかすると,それぞれの先生はテストの作り方が違うかもしれません。

個別に各先生に確認するのはなかなか難しいので,ここは特別支援コーディネーターの先生に情報をとりまとめてもらいましょう。

想定されるのは以下のような方法です。

・Microsoft Word(ワード)

・一太郎(いちたろう)

・その他

数学・理科などでは数式や化学式などがありますし,社会では地図記号,国語には古文漢文もあります。英語だと発音記号などもありますね。

シンプルな文字情報であればよいのですが,そういうわけにはいかないため部分的に図(写真)が貼り込まれているという場合もあるかもしれません。

全てをテキスト(文字情報)で得ることが難しい場合もあります,その場合には,部分的に代読(隣にいる大人が読み上げる)を組み合わせるとよいでしょう。

ファイルを読み上げる方法を確認する

●ワードファイルを読む

iPadを使っている場合には,ワードをPDFに変換してもらうのがよいかもしれませんiPadのワードで読み上げるのはやりにくいのでPDFファイルにするのがおすすめです。

・PDFを標準アプリの「ブック」で開いて,選択読み上げで読む

・「Voice Dream Reader(ボイスドリームリーダー)」といった読んでいるところをハイライトしたり,読み上げる音声が選べるアプリを使う

Voice Dream Readerは,こちら<<

・文字を書き込んだり線を引きながら読みたいという場合には「PDF Viewer」のような書き込み可能なアプリを使う

PDF Viewerは,こちら<<

パソコン(Windows)を使っている場合には,ワードの中に読み上げの機能を入れるのがおすすめです。

最新のWindowsパソコンであればWordTalker(ワードトーカー),Windows8.1までのものであれば和太鼓というアプリケーションがあります。

・Word Talker(ワードトーカー,有料)は,こちら<<

・和太鼓(無料だが,Windows8.1まで)は,こちら<<

●一太郎ファイルを読む

一太郎ファイルは音声で読み上げるためのハードルがとても高いです。まずは,一太郎ファイルをPDFファイルに変換してもらいましょう。ただ,段組が複雑な場合はPDFに変換したとしてもうまく文字を抽出できないことがあります。

うまくいかない時には,やはり代読を組み合わせることが必要です。

ファイルの受け渡し方法を決める

学校の先生がテストを作るのは,テストの直前かもしれません。

ここは特別支援コーディネーターの先生に各先生と調整をしてもらって,コーディネーターの先生とやりとりをしてファイルの受け渡し方法を決めましょう。

学校では,生徒個人の端末を学校のWi-Fiにつなぐことができないといったルールがある場合もあります。その場合には,

●許可を得て個人のモバイルルーターを学校に持っていく

●ファイルの受け渡しが難しいので学校のタブレット端末でテストを受けることを検討する

●テスト用の端末をもう一台用意して,それを事前に学校に渡しておく

といった様々な工夫が考えられます。学校とよく相談をしましょう。

Windows等のパソコンを使ってワードでテストを受けることの利点は,文字の種類(フォント)を変えたり,文字の大きさを変えたり,背景の色を変えたりといった見た目の調整ができることにあります。

Word Talker(ワードトーカー)の使い方はまた別の機会にご紹介します。

テストを作る中学校の先生へのお願い

学校の先生方はテストを作る際に,より多くの子どもがアクセスできるものにするためにまずはプリントをなるべく見やすくすることが大切だと思います。具体的には,フォント(書体)や行間(文章の列と列との間の間隔)に配慮するとよいでしょう。

文章を読めないわけではないけれど教科書体や明朝体といった書体が使われていると読みにくいという子どももいます。

また,行間が詰まっていると文章のどこを読んでいるのか見失ってしまうという子どももいます。

フォント(書体)をUDデジタル教科書体などの見やすいものにする

フォントによって読みやすさが大きく変わる場合があります。

最近では「UDデジタル教科書体」という子どもの文字の読みやすさに配慮したフォントがあります。これは,最新のWindowsパソコンには標準で入っています。

UDデジタル教科書体は,こちら<<

さまざまなフォントの例

さらに,タブレットやパソコンでアクセスしやすくするために以下の点を考慮してみてください。

Microsoft Word(ワード)では文章の見た目だけを変えるのではなく,スタイルを使う

ワードで文書を作成している際に,見出しをつけることがあります。

この時,見出しの部分だけフォントを変えたり,太字(ボールド)にしたりすることはないでしょうか。

これは,文字が見えている人にはよいのですが,文字が見えない人や読めない人にとっては,バリアになる場合があります。

ワードにはレイアウトという機能があり,見出しとして設定すると,見た目だけでなく,構造として見出しが設定されます。

これは,目次を表示させる(ワードではナビゲーションウィンドウという機能を使います)ことができたり,

スクリーンリーダーと呼ばれる読み上げ機能で読み上げたりするときに見出しにジャンプできるため,アクセスしやすくなるという利点があります。

スタイル機能は説明を受けてもなかなかピンとこない,わかりにくい機能ですので,動画にしてみました。

中学校のテストを作る際に,電子ファイルでの提供を希望する生徒がいる場合には,ぜひこのスタイル機能を使ってください。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。