こんにちは。平林です。
先日、計算が苦手なら電卓を使って、計算の先の数学を学べることが大切、という話をしたところ、
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”hogosya(komaj).jpg” name=””] 計算が苦手な子どもがいるのだけれど、まだ小学校低学年で年も小さいため、使わせる時期を悩んでいる。どの段階で使い始めるのがいいの?[/speech_bubble]という質問をいただきました。
電卓を使い始める時期については、よく相談があります。
計算を学習している段階で、電卓を使ったら電卓に頼って計算を自力でしなくなり、それは、結果的に学習のチャンスを奪うことになるんじゃないか。
そんな心配を多くの方が抱くのではないかと思います。
でも、計算ができないために算数の授業についていけなくなってきている。なんとかしたいけれど、電卓を使うと計算をしなくなるのではないかジレンマを感じている方がたくさんいらっしゃいます。
シンプルなアドバイスが可能だと思います。
それは,
「一桁のたし算・ひき算・かけ算・わり算(以下,四則演算)ができないと先に進めない問題が出てきたら使う」というものです。
算数の問題には、
A:足し算引き算掛け算割り算という四則演算
B:分数や小数のように,計算をするプロセスの中に四則演算が必要な問題
C:文章問題
D:図形問題
E:表,単位など算数独自のルールを学ぶ問題
があります。
A以外の問題で,「四則演算ができないと先に進めない問題が出てきたら使う」とよいと思います。
分数はそのまま電卓で解くことができません。でも,分母を揃えたり,分子をたかしあわせたり,け合わせたりする際に,四則演算が必要です。
具体的な分数の問題を例にして考えてみましょう。
$$\frac{1}{6}+\frac{1}{2}$$
の計算をするために必要なことは
①分数を足し合わせるためには,分母をそろえなくてはいけないというルールを理解していること
②分母を揃えるためには,分母の最小公倍数を見つける必要があることを理解していること
③そのために九九の2の段を思い出すこと
$$2\times1=2・・・2\times2=4・・・2\times3=6・・・!$$
④右側の分子に3をかける
$$\frac{1}{6}+\frac{1\times3}{2\times3}=\frac{1}{6}+\frac{3}{6}$$
⑤左側の分子と右側の分子をたす
$$\frac{1+3}{6}=\frac{4}{6}$$
⑥約分の仕方を理解する
⑦約分するために九九を使う
このように③④⑤⑦では,四則演算が必要です。
算数は,仕組みを理解する部分と四則演算をする部分があります。
四則演算が定着しない,時間がかる場合には,それを別の方法で補わなければ,たくさんの練習問題をこなして計算のプロセスを自動化していくことが難しくなります。
そのため,徐々に算数の学習に遅れが生じると考えられます。
ポイントは
[speech_bubble type=”std” subtype=”L1″ icon=”hiraface.jpg” name=”平林”] 算数から計算を分離すること[/speech_bubble]
算数を嫌いになってしまうまえに,電卓を上手に使っていくことをおすすめします。